お母さん「なんだか毎日勉強するようになりました。」

「なんだか毎日勉強するようになりました。」

先日、外で偶然生徒のお母さんに会ったときに言われました。
塾講師がこのような言葉をいただいたら、普通なら嬉しいはずです。もちろん嬉しいは嬉しいのですが。
それはよかったですね！とか、これから○○くんはもっと勉強ができるようになりますよ！とか、塾講師ならこんな感じの言葉を返すのでしょう。

ただ私の口から出た言葉はこれらとはまったく違うものでした。

「う～ん、なんででしょうね？」

なんてマヌケな言葉なんでしょう。
こ、この人大丈夫か？なんて思われてもおかしくない(笑)

でも、本当になんででしょうね？なんですよねぇ。

大学受験のエースは、この大学に行きたいのならこれだけの量をこれだけの期間でやれ、そしてこれぐらいの偏差値を取れ、そうすれば合格だなんて、大学受験に合格することだけをゴールにする塾や予備校とは少し違う。
どんな人生を送りたい？
どんな大人になりたい？
どんな仕事をしてみたい？
視野を広げビジョンを描き、将来への希望を持って、なりたい自分に向けて頑張る塾なのだ。
そこで大学受験が通過点になるならば突破していこうじゃないか、という考えだ。

だから…

自分はこうなりたい！
じゃあこの大学に行きたい！
この大学に行きたいなら、これくらい頑張ろう！
と、なるわけだ。

だが、彼にはまだ○○大学に行きたいといった明確な目標がない。
明確な目標がなければモチベーションを保つのは難しくなるはずだ。
それなのに、毎日コツコツと勉強している。

だから塾で指導しているときに、彼に聞いたのだ。
めちゃくちゃ直球で。

「なんで毎日勉強できるの？」

「う～ん？約束したからですかね。」

「あー、約束ね。(担当の講師と1週間の学習計画を立てている)勉強つらくないの？」

「はい、今のところつらくないです。」

淡々と答えるんですよ。
彼のようなタイプもいるんですね。

ただ彼はなんとなくこんな仕事はしたいという考えは持っていて、学部や学科はほぼ決まっている。
だから行きたい大学が決まったときのために、今のうちにできる勉強はしておこうというわけだ。

それくらいの理由だけでモチベーションを保つってすごいんですよね。
だから「なんででしょうね？」なんですよ。

でも、彼のような考え方で実際に勉強していることは現在すごく大事です。
新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言が出されている今、例年通りに高校受験や大学受験が行われるのか分からない状況にあります。
ただそんな中でも、例年通りに行われても大丈夫なように準備することは非常に大切だと思います。
彼は○○大学と決めてはいなくても決めたときに困らないように準備していることは、現在必要とされていることにとても似ている。
そんな中モチベーションを保ち続けられる高校生がどれくらいいるのでしょうか？

大学受験のエースの彼の姿は、他の生徒の目にも映っている。
良い影響を与えていってくれたらいいなぁと思いつつ、今年も塾生の頑張りに期待しています。

担当の講師「できたら大学決めたいよね。」
彼「そうですね。」
決まったら今以上に頑張りが期待できそうです。
もちろん焦らずやっていこう！